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終章-⑥ スーパーマインドとともに

<スーパーマインドとともに>(P295〜)

-心の灯を自分の意志で拒否するな

人間の悩みは、挙げて、心の死を知いているためである。ころしてわれわれはパニックのうちに駆けずり回わる。まるで夜陰、敵の陣列の背後に紛れこんだ兵士のようにだ。われわれは明々白々たる事実をすら見損う。たとえば百万ドルの資産家が成功者などではなく、たんに百万ドル持っている人にすぎないといったことすらわれわれには認識できない。

心の灯がないというのは、灯を頑強に、しかも自分の意志で拒否するということであって、そこから自己矛盾が生じてくる。人は自分が準拠して生きている言条にあくまでもしがみつき賞讃すらする。だが本当は悲惨な人生を送りながらだ。そのような人をどうして知的だといえようか?こうした場合、彼の自己敗北的な人生態度が彼の日常的なルールになっていることはいうまでもない。われわれは見たくないものは見ることができない。見たくないのは、われわれ自身をそのあるがままに見ることの不安を、一時的な不安を恐れているからである。

われわれの災厄の根拠が、心の誤用にあると知ることはよいことである。心を正しく使えばわれわれを正しくすることができるということだからである。

あなたの炉に盛んな火を燃えたたせるためには、ある種の手順が必要である。マッチで紙に点火し、鐘層に炎を移し、それから芽へ燃え移させる。その後適宜に芽を一本一本と追加する。最初にマッチでの点火がうまくいかなかったからといって、あなたは火を起こす努力は薬てない。火の回わりが遅いからといって諦めはすまい。辛抱づよく、根気よく続けなければならない。そして最後には、炎々と火はそれみずから燃え盛っていく。

同じように、あなたは、あなたの内的な火を絶えず『スーパーマインド』の秘教的なアイディアで燃え盛らせなければならない。そのためには、熱心な、同じような心をもった人々とのディスカッション、そして毎日の自己観察が大切な作業である。こうしてある地点に達すると火はそれみずから燃え上っていく。だからといって、研鑽を緩めてよいという意味ではない。より高い、より実りある努力が必要なのである。

初めは自分自身へ若干のストレスをかけることもあるが、しばらく経てば、あらゆることを易々としてまた歓びをもって行なえるようになる。(トーマス・ア・ケンピス)

『スーパーマインド』を再読するうちに、あなたは、自分のために特別な意味をもつと思われるいくつかのアイディアに突き当るだろう。これらのアイディアは、愉しい省察を更に加えていけば、ますます価値が増してくる。ファイルノートのスペースへ、自分のことばでそれらを書きこんでいくとよい。もっとページを加えて、更に書きたすのはあなたの自由である。これらを愉しみながら、熱心に、あなた自身のインスピレーションとガイダンスのため絶えず参照するようお奨めする。

では一