5-① 本章の要点
<本章の要点>
1あなたはまず自己を変えようという深い願望からスタートしなければならない
2あらゆる経験があなたに自己認識と宇宙的目覚めを教えるのに委せよ
3自己変革をあなたの人生の大冒険とせよ
4目覚めというわれわれの霊的なレベルを高めると、われわれは新しい豊かさを引きつける
5真の安定は、条件づけられた思考を拒否することから来る
6スーパーマインドによって生きるとき、倦怠はあり得ない
7宇宙的意識のなかでは万事すべて真に正しい
8あなたがスーパーマインドと共に新しくなったとき、一切は違って見えてくる
9われわれはわれわれ自身についての想像上の、条件づけられた観念を棄てなければならない
10宇宙的真理を個人的欲望に優先させよ
私は初めて秘教的なアイディアに出会う多くの人々の心中を読むことができる。彼らはいう、「だけど、自己覚醒とか自己観察とかいった述語の意味がわたしにはよく分りません。あなたのおっしゃる、エピクテトスとかスーフィ数とかいう、教師や思想体系のことはほとんど耳にしたとともありません。おっしゃることはみんな、漠然としてしか分らず、とても難しいようです」スーパーマインドの径へ出発するのに秘教的原理の予備知識は要らない。ただあなた自身を革新したいという誠実な熱意だけでスタートすればいい。難しいと思われる新しいアイディアにぶつかったからといって困惑してはならない。アイディア同士の一見矛盾した言い方に類わされてはならない。
特に、あなたに分るものだけがすべてなのだと考えてはならない。はるかに多くのものがあるのである。
探求の出発点においては、智慧は閃光であって光機ではない。
プラトンが語った洞窟の囚人という有名な寓話をもう一度想いだしてみよう。一人の囚人は敢にも洞窟を飛びだして日光の下へでるが、もちろん彼は眼にしたこともない強烈な太陽の光に、眼がくらんでしまう。これは、無意識的な虜囚の状態を脱しようと決意した誰でもが感じる混乱と不安に似たものである。自由の光輝はまったく新しく、束縛状態とはたいへんに違うから、習慣的な心では認知することができない。脱走した囚人は、初めは、この変化に恐れおののき、惑乱する。だが次第に、彼の精神的な眼が輝きに慣れてくる。彼はこれがリアリティなのだと分る。以前の彼は暗がりが正常な状態とばかり思っていたが、いまようやく、そうでないと悟ったのである。
新しく目覚めた覚醒状態がどういったものかを想像することはよしなさい。想像をこととする心は、古い心的フィルムしか映写できず、新しいフィルムを映しだすことができない。われわれにできるのは非覚醒状態の結果を知って、そこから先へ進むことである。覚醒のない状態、あるいは精神的な暗さの証拠はわれわれの身辺のいたるところにあり、圧倒するばかりに多いので、われわれはついそれは気づかないでいる。しかし見つけようと思えばすぐに見つかる。早い話が、いまこの瞬間に、あなたを悩ませているものは何か?それが精神的暗さの証拠だ。それが何であれ、あなたはそこから、宇宙的な知性とスーパーマインドによって、その心の闇夜から、すぐに目覚めることができる。
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