1-⑧ 全てがうまくいっているという境地
<全てがうまくいっているという境地>(P38〜✔︎)
-内部からの囁きに耳を傾けなさい
Qわたしは、あなたのおっしゃる線で自己作業をつづけていますが、いまだに、あれやこれやのいつもの混乱に陥ってしまいます。なぜでしょうか?
A あなた自身の間違った考え方が原因だということが、まだ悟れないからです。間違ったアイディアから手痛い結果を経験するということと、あなた自身を問題の根源と見ることとは同じではありません。あなた自身を、あなたの現状の原因だと悟りなさい。これがトラブルを絶つ第一歩です。
Q御講義のなかで、自分自身をエンジョイせよと強く論されました。ですがどちらを向いても、われわれの周囲には、余りに悲しみや悪がたくさん目につきます。人生がどうして楽しいなどといえましょうか?
A 人生は快く楽しいものなのです。しかし人生についての考え方が愉しくないのです。それは条件づけられた考え方だからです。あなたの人生に対するアイディアが人生そのものだと思いこんでしまわないことです。人生をその在るがままに見ることができれば、それは快楽となります、あなたにとって新しい次元の快楽といっていいでしょうが。
内部からの囁きに耳をかたむけることを学ぶ、このアイディアは次のように譬(たと)えることができる。
ある水夫が、島のジャングルで道に迷い、海へもどれる導きとして遠い波音へ耳をすます。だがどれほど耳をすませても、ジャングルの動物の啼(な)き声や風の音で波音は遮られてしまう。彼はさまよいながら、それでも辛抱づよく耳を傾けていた。とつぜん、一瞬ではあったが、ジャングルが静寂となった。そのとき彼は、かすかにではあるがはっきりと海の音を聞いた。
この瞬間、彼はすべてがうまくいっていると知った。ジャングルの騒音がいっとき彼の耳をさまたげていた間も、彼は海への正しい方向をとっていることを知っていたのである。
曲げられた心が、狂気のように脱出を焦ることをやめて、静かになったとき、われわれは内なる導きの声を聞くのだ。その声は絶えずわれわれに達しようと努めていたのだった。
この光明を見たトルストイは次のように指摘しているー
人はただこのことさえ分ればよい!人はそこでは自由のない万般(ばんぱん)の外部事象に思い悩むことをやめ、自分のエネルギーの百分の一を、彼の前方に立っている真理の認知とそのことの告白に・・・・・・彼自身の解放に、費しさえすればよい・・・・・・
気ぜわしい思案、計画、決定が絶ちきられるとき、不安もまたやむ。条件づけられた心はどんなことにも正しい答をもたない。遅かれ早かれ、われわれはこの悟りに達しなければならない。これが事実なのだと、観察と経験とで悟らなければならない。
あなたの心というロープの端っこにうろうろしているとき、どうしてよいか何を考えてよいか分らぬとき、あらゆる脱出の試みが阻まれたとき、一切が絶望の闇に包まれたとき、あなたの心では解決がみつけられないというのに、どうしてあなたの問題と戦うことがあろうか?どうしてあくまでも思い悩みつづけることがあろうか?ここで、あなたの焦り狂う心をわきへどけることさえできれば、すべてがらくになるのではないかと、あなたはどこかで感じとっているはずである。あなたの、いやわれわれの心のより深いところにある一部は感じているのであるしみずからを解放しようと踠(もが)き苦しむ心こそが問題の根源、いや問題そのものなのであると。
なぜあなたは、黙って静かに、歩みをわきへそらさないのか?そして条件づけられた心がむやみに足掻(あが)くのをやめたとき何が起こるかをじっと見守らないのか?そこまでやってみてごらんなさい、そしてどうするか見守ってごらんなさい。
スーパーマインドは、通常の心のロープが切れるところで始まるのです。
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