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9-⑩ 相拮抗する強迫観念を超えるには

<相拮抗する強迫観念を超えるには>

-反対物を超えて生きること、

私は自分のクラス、講演ではしばしば、聴衆の質問に次のように答える-

Qわたくし、こぼしているみたいに聞こえるといやなんですけれども、わたくしってどうしてこんなに失態ばかり招くのでしょうか?

A あなたが失態といっているものは、けっしてあなたがそう思いこんでいるような失態などではありません。その考え方が変らなければなりません。一つの事態に対してあなたがネガティブな反応をすれば、それが自分の反応に過ぎないのに、出来事そのものにネガティブなものがあると断定することになるのです。しかしあなたにはそれが分らない。あなたの習慣的なネガティブ思考を破れば、同じような事態が起こっても、もうそれは失態とは見られなくなります。

Qとおっしゃると、善い運と見えるということですか?

Aいいえ、あることを善いとよべば、その反対を悪いとよばなければならない。ビジネスで大儲けするのがすばらしいと思うと、大損をした場合は恐ろしい事態と見ることになるでしょう。大事なととは、反対物を超えて生きるということです。

Q 理解できません。

A 理解することが重要です。たとえばあなたが、戦闘中の二軍の間に挟まれたとします。あなたはA軍へ近づく。するとA軍はあなたに発砲する。あなたはB軍へいこうとする、B軍もあなたを攻撃する。すると暫くはA軍のほうが友好的に見える、だがまた突然にあなたに打ってかかる。あなたは結局両軍のあいだを往ったり来たり、どちらがあなたの味方か分らず、混乱し、よろめくだけです。そこでようやく、どちらもあなたの味方ではないと悟り、パニックに陥る。この危機的な瞬間に、あなたは上空をヘリコプターが一機通るのを見た。ヘリコプターは戦う両軍をはるかに超えてあなたを運んでいってくれる。

Q しかしその戦闘を超えた状態とは何なのですか?

A それは、あなたがそれを超えて昇ったときに、おのずと分ります。

このエソテリズムの有効な秘密を再検討するため、読者は第2章の、「われわれはなぜ人間思考を超えなければならないか」と題された節を参考にするとよい。

われわれは正しい方向に眼をむけることを学ばねばならない。金鉱を探す探鉱者は、足下に転がっているものを探すのに雲の方などへ眼を向けはしない。われわれも同じことだ。人生の黄金はここにあるのであって、あっちにあるのではない。

だから、あなたの心をそれ自身へ向けさせ、問わさせなさい。われわれは、知識は他の人々から獲得するが、叡智はわれわれ自身から獲得するのだ。スーパーマインドがあなたに知識を授ける、それをあなたは、受容性というマジックパワーによって、あなたを導くところの叡智へと変えるのだ。

独立不羈の採究者になりなさい。他の人々から離れて、自分独りだけになること、これが、最も豊かな機会のひとつとなる。それはあなたがあなた自身である絶好の機会だ。

あなたはどこまで自分自身に素直であるか?あなたの安心と満足とはそれで測られる。

幸福な人生とは人生そのものの本性に随った人生である。(セネカ)

それからまた、自己との調和によって、本当の美が訪れる。美について心であるいは日でお喋りしないときに、そのときにのみ、本当の美をわれわれはエンジョイするのだ。