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32. 小さな家族を超えて Beyond the Small Family

あなたは全体の一部です。存在に属しています。部分への執着に、より大きな全体へと入って
いくのを妨げさせてはいけません。
 イエスに関する非常に神秘的な物語、イエスにしては非常に厳しく見える物語がある。
 彼は群衆に語りかけていた。すると誰かが言った。「イエス、あなたのお母さんが外の方で待っ
ていらっしゃいます。でも、人の集まりが大きすぎて、彼女はなかに入ってこれません。あな
たに会いたがっておられます」
 イエスは言った。「誰も私の母ではない」
 そしてあるとき、イエスはまだ子どもだったころ、イエスと彼の父母は、毎年恒例の祝祭で
ユダヤの偉大な寺院に来ていたが、イエスは両親から離れてしまった。彼らは捜しに捜し回った。
そして夕方になり、彼らが心乱れ、ひどく心配になっていたところで、ようやくイエスが見つかっ
た。彼はある学者たちといっしょに坐っていた—— 子どもにすぎないのに、彼は未知なるものについて彼らとなにごとか議論
していた。
 父は、彼のところに行って、こう言った。「イエス、ここでなにをしている? 私たちは一日中お前のことを心配していたの
だよ」
 イエスは言った。「私のことは心配しないでください。私は、私の父の仕事をしていたのです」
 ヨセフは言った。「私がお前の父親だ……それに、ここでどんな仕事をしているというのか? 私は大工だ!」
 ところがイエスは言った。「私の父は天にいます——あなたは私の父ではありません」
 子どもがまさに母の肉体を離れなければならないように、彼もまた、ある日、父母の子宮から精神的に出なければならない。
肉体的にというだけではなく、精神的にも——精神的にというだけではなく、霊的にも。そして子どもが霊的に生まれるとき、
過去から完全に脱けるとき、過去との関係を完全に絶つとき、そのとき初めて、彼は自己に、独立した現実になる。それまで
は彼は母親、あるいは父親、あるいは家族の一部だったにすぎない。けっして彼自身ではなかったのだ。
NO WATER, NO MOON, pp.173-179

 もしあなたが家族と恋に落ちたら、その愛を超えなければならない。さもなければ、その愛そのものが、その執着そのものが、
もっと大きな全体へと入ってゆくのをあなたに許さない。
COME FOLLOW ME, Vol.2, p.122