9-② あなたは自分で思っているよりも賢いのだ
<貴重な秘訣>
1.あなたは、無益ででまかせな想念のとりことなることはない
2.おおいなる宇宙的秘儀は、 りの自己感覚を棄てることである
3.あなたは自分で思っているよりずっとも賢いのだ>
4.誤った自分己感覚を露わにして破砕するの悪性に純粋に気づいているだけで善性がもたらされる
5.、あなたは偉大さのすぐ間近どこまでき深く掘り下げるか?どこまでであれ、その深さで、あなたは純粋なるものを知るであろう。しっかりとした岩盤の上に家を建てる目的で、その上にある砂まじりの土を掘っている、のだから思いきって跳。
6.たしかに、こんなに長いこと、こんなに一所懸命に作業したにしては報いのなんと少ないことか、これではあんまりだとあなたが感じるスランプの時期はたしかにいくつかはあろう。以前の低次元へ戻りたいという願望があって、更にあなたの失望はたまらないものになっていく。だがあなたは引き返せないことを知っている真。沈みかかる船から海へびこんだがまだ陸地が見えない遭難者、そんなふうにあなたは罠にかかったような気になる。
だがちょっと待って。そのままでよいのだ。構わないのだ。あなたはそこまでよくやったといえるのだ。あなたには理解できなくとも、理解しているなにかがすでにあるのだ。
ことのところに、混乱した心をはっきりとさせる秘教の極意がある。混乱とともに生きるのだ、混乱に逆らわず、混乱がそれみずからを破壊するまで、混乱と同居するのだ。
あなたは自分で考えているよりは賢いばかりでなく、賢いことを知っている。トラブルに陥った人人が、彼を救える宇宙的な事実そのものに対して激しく戦う訳は実はここのところだ。彼の洞察が、彼が言い争う根拠そのものなのだ。彼の誤った自己が、盗人が官にその盗品を取り戻されまいとがんばるように、その為りの地位を防御しようとするのだ。
あなたの感じる願望の前に据えよ
7.あなたの霊的な力をなんぴとにも抜きとらさせてはならない
8.独居をしてあなたの賢い教師たらしめよ
9.真のパワーはスーパーマインドにその源がある
10.あなたの心ことをしてそれみずからに問わしめ考えさせよ、そしてスーパーマインドをもって宇宙真理へ飛翔する力を与えよ
あなたが劇場にいったとする。芝居が終って、あなたは立ちかける。もうかなり強いし、あなたは家に帰りたい。そのとき突然、シェイクスピア劇の衣裳をつけた俳優が一人舞台へ飛びだしてきて、あなたの注目を要求し、だらだらと退屈な演技をやり始めた。
あなたの本心では、もうお芝居など見たくない。だが観覧席は心地よく、家までは長い道理だ。
で、あなたはそのまま坐っている。しかしなにかしら違ったところにいるような、居心地の悪さをどうすることもできない。
ようやく長ったらしい演技が終って俳優は退場した。あなたが帰ろうとすると、また別の俳優が舞台へ飛び出してきた。こんどは占い師で、あなたに坐れ、聴けと言い張り、自分にはあなたの運命を予言する力があると宣言する。聴きたいムードではないが、占い師のパーソナリティにはなにかしらあなたを惹きつけないではいない一種の強制力が感じられる。仕方なく、あなた自身のよりよき判断に逆って、あなたはとにかく彼に喋らせ、彼の演技を見守ることにした。あなたはなんとなく落ち着かず、ただ彼のとりとめもない予言に聞きいったが、彼のいうことがまやかしであることはすでに感づいていた。
占い師が舞台を去った頃にはもうあなたは疲れきっていた。もうどうしても家に帰らなければと立ちかけると、第三の俳優が現われて、またもあなたの注視を求めた。だがもうあなたはウンザリしている。もうたくさんだ!あなたは振りきって、劇場を出、家に帰った。
人生では、幾千何百というナンセンスに近い思考やアイディアがあって、次々とぼんくら俳優みたいに、あなたの心という舞台へ姿を現わしてくる。それらはもっぱら利己的な立場から、あなたの時間と注視を強要し、挙句のはてあなたを退屈にし、うんざりさせて突き放す。ほんとうにそうか、それはあなた自身で観察してみるとよい。この頃わしさ、この苛立たしさが、あなたの静かな霊的ホームから、あなたをどれほどたぶらかし、注意力を浪費させているかを見るとよい。
あなたはとうしたバカげた演技者のために、囚われた観来のひとりにとどまっていることはない。
そのインチキを見抜いたら、あなたはすぐに立ちあがり、出ていっていい。スーパーマインドの秘儀洞察が得られるについては、ちょっと奇妙な特色がある。洞察が得られる以前に、すでに自分で理解しているとわれわれは確する。しかし真の洞察を得ると、何も知らなかったことを悟るのだ。この関係は、ティーンエージャーが、若気の至りで自分で持っていると思いこんでいた大きな叡智にたとえられる。
スーフィ教の諺に、「銅は金になるまでは、自分が銅であることは知らない」というのがある。言い換えれば、われわれは、目覚めはじめるまでは、眠っていたことを知らないのだ。
ここで人間性についてのあまり理解されていないひとつの特徴を申しあげたい。あなたの理解が、多くの謎を解き、新しい解決法を教えてくれる。
人間は、おれは一個の統一された個人であると考えている。だがそうではないのだ。彼の内部には何ダースもの異なった自己が棲んでおり、それぞれに矛盾対立している。Aという自己がいまおれを支配している、が次の瞬間、自己Bにとって代わられる。自己Bはまたすぐに自己Cに支配権を渡す。
ふつうわれわれはこれをムードの変化、態度の変化とよんでいるが、あるひとつの自己が他の多くの自己を一過的に支配するのだと考えると分りやすい。人はあるときは自分でうまいと思う発言をする、すぐ後で、その発言を悔む。二つの自己がここでは関係しているのだ。ある女性は、今日あるプロジェクトにひどく情熱を湧かしている。だが明日になるとけろりと薬ててしまう。これは違った日にそれぞれ違った、矛盾した自己が彼女を支配していたためである。
人間は、こうした矛盾したいくつかの自己を見ることができない、いや見ない。それで混乱し、右左に裂かれ、誤ちを犯してしまう。それはーダースもの水夫が、おれが船長だとかわるがわる言い張るようなものだ。一人が舵を握り、船は南進する。すると別のがでてきて船は北へ向かう。どれも、次のものに斥けられるまでの束の間、操舵しているだけだ。船はどこへも着きはしない。
しかし自己統一は可能である。この本のなかでいわれているすべては、自己統一をつうじて、自分が自分の船長となるよう、あなたにそ協力しているの力を与えである。まず自己分裂に気づくことから始める。
それをはっきりと自分のうちに見る。混乱に気づくことが、あなたの澄んだ指揮権を回復するのだ。