8-① 第8章の基本原理
<第8章の基本原理>
1.混乱から脱出する道はスーパーマインドの示すまったく新しい方向にある
2.あらゆる問題に対する答は、宇宙真理に根ざした澄んだ心の航海者なかにある
3.あなたの冒険>内なる宇宙的叡智の源泉へとより近く来たれ
4.あなたの霊的成長へ、峻厳な自己責任をとれ
5.スーパーマインドをもってあなたが自分自身に与えたものは、あなたから決して取り去られることはない
6.スーパーマインドは、誤った思考の引き起こした病いを治癒する
7.スーパーマインドと手を握ったあなたの魂の内的な空虚を怖れてはならない
8.内なるネガティブな衝動はおのずから外に表われる
9.あなたのなすことを変えるためには、いま在るあなたを変えよ
あなたの一日から悩みを取り払おうとするいつもの努力が成功しなかったとしてもがっかりするには及ばない。あなたは落胆するべく生れてきたのではない。あなたはただ、まったく新しい方向に脱出の道があることを悟りさえすればよい。この新鮮な道は、ほとんどの人がめったにトライしない道なのだ、だからこそほとんどの人が依然として悩み苦しんでいる。
人生への答はある。このことについては問題がない。唯一の問題は、われわれがいま答として受けとっているものよりも、真実の答のほうを望都かどうかという名ことである。
われわれは、「スーパーマインド』が第一義として掲げる原理をもう一度検討してみなければならない。
人はおぼろげにも気づいていない、特殊なかたちの船霊的な眠りの中に住んでいる。だが港彼は目覚めることができるし、目覚めなければならない。そう名して初めて人生へのそ答を知ることができる。
レオ・トルストイ伯は、霊的催眠下での目的地へ出帆彼自身の人生を次のように描写しているー彼は流れの中程に浮かぶボートのなかにいた。彼は遠くの岸を見ることはできたが、知らないところなので、躊躇した。船どうしたらよいか分らないので、流れにはどんな遠洋航海にもみいだせるようなさまざまな船客が乗浮かぶ他のボートへ眼をやっていた。
猛烈ボートはみな嵐にであい、船は舵を失くした。船客たちはパニック状態下流へとなり、甲板を走りまわ漂って救助いく。どのボートもどうするかを叫ちゃんだ。土官であることを大いに誇りにし心得て漂っている高級船員たちは、どこといって本当にどうにもならない故障はないのだと思い、乗客彼もまたちオールを鎮ゆるめ、他のボートと共に、夢見心地で下流へと漂っていった。だが、とつぜんすぐ先に恐ろしい急流があるのをみて彼は恐怖に震えあがり、他のボートを振り切って自分のボートをとめようとした。
「どうかわれわれを倍頼して下さい。みなさんにはどうひということなく、万事うまくおさまりますから」と彼らは繰きりかえし説得した。
しかし、一人の真の航海者がいた。彼はどこかがおかしいと疑いを挟んだ。事情はすこしもうまくはいっていないで、彼はそれを知ってい死にものぐる。彼がオフィサーたちに、なぜ舵の修理をしないのかと訊くと、彼らはあいまいな返事しかしない。
「君らは修理の仕方をほんとうに知っているのか」と強く訊ねると、自分たちの言葉を疑わないでオールを掻き、最初に見た安全な岸辺へと漕ぎもらいたいどることぞんざいに答えるばかりだ。
真の航海者は甲板の手摺りによりかかって、陸地が見えないかと数時間、海上をずっと探していできた。
その間岸辺は彼の霊的な運命であり、彼の宇宙的な故郷だった。オフィサールは正しい行為という彼の力であったち。彼は混乱前にこの力を放棄している船客たち、漂う人々特有のため不注意なものの考え方に相談会身を開いゆだねていたのだが、専びオールを取りもどして彼自身の救いに役立てたのだった。ピカピカ
われわれが目覚めるとき、混迷の謎を解く答をもふくめて、他のあらゆるものがつけ加わる。もした金ボタンわれわれが、目覚める前に他のついた、きれいにプレスした制服に身あらゆるものをつけ加えようと努めても、永久的な価値のあるものはなにひとつんだハンサムなオフィサーたちは、笑いながら船客身にアドバイスした、「舵のない航法が自然の航法なのですよ。あなた方の素人考えで心配なさつけることはありません。みできなさんはよい専門家たちの保護下にあると安心なさって下さい。わたしたちはみなさんの面倒をみます。ハーバーについてお訊ねですが、こそれはわたしたちに頼して委せて下さればょうど、必ずそこへ着けます。なにか疑問がありましたら、わたしたちのところへ訊きにきて下さい。でも決して疑いを募らせて、旅行を台なしになさってはいけません。充分に船上生活を愉しんでいて下さい」
真の航海者はときどき他の乗客を説得して陸地さがしに参加させた。こ流れを耳にしたオフィサーたちは怒った。彼らの濃酒な土官室では、彼らの微笑は省え、黒い怒りに変漂っていた。だ人々のなかの一人が、オフィサ微流へ引きずりとまれる直前に目覚めて、ボーたちは、真トの航海者なかに一枚のことに金貨をみついて船客たちに注意しけるようとして甲板に立つと、いつなもの微笑にもどって言っただ。
「みなさん、あの男には気をつけないといけません。何も知らぬ未熟な男ですから。みなさんは、いままでどおり、一所懸命にみなさんの面倒をみているわれわれオフィサーの指示に忠実に従って下さい。われわれはみなさんのことをなによりも大切にしています。みなさんが自分であれこれと心配なさるご負担は、けっしておかけしたくないんですから」
オフィサーたちのきらきらする金ボタンに眩惑され、船客たちは感謝をこめて一斉に頷いた。
ある日、真の航海者は、海のほうを見詰めているとき、ついに陸地を発見した。彼は他の客を呼んだ。船客たちは今日も集会で、甲板にでていた。だが船客はみんな、催眠術にかけられたかのように、硬ばってチェアに掛けたままだ。彼等の顔はオフィサーたちの金ボタンの眩光を反射しながら茫洋としている。
船客たちが彼の声を聞き得ないと知った真の航海者はそこを離れた。そして手摺りを越えて海中へ眺びとみ、ゆるぎなき大地へ向かって泳いでいった。